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糖尿病外来アップグレード 21原則―よりよい医療連携を求めて

医学書院 刊
発売日 2003-03



日経BP企画
糖尿病外来アップグレード21原則 よりよい医療連携を求めて
 1日に470人もの糖尿病患者が来院する東京女子医大の糖尿病センター。同センターを率いる編者が、糖尿病の代表的な症例を具体的に紹介しながら、一般医向けに治療法をまとめた。専門医との連携も視野に入れて解説する。
―出版に至る経緯を。

岩本 東京女子医大の糖尿病センターでは98年より、大学の地域連携室と共同で、新宿区や杉並区など隣接区域の開業医の先生方を対象に、糖尿病の勉強会を年3回のペースで行ってきました。勉強会では、参加者の方にあらかじめ講師の専門分野などについてお伝えし、日常診療での疑問点を前もって提出してもらい、講師に答えてもらうようにしています。

 本書はその質疑応答なども交えながら、勉強会の内容をまとめたものです。一般的な症例に対して、当センターではどのような治療を行ってきたかが具体的に分かるようになっています。最新の治療についても言及しており、例えば腎症の合併例に対する治療成績について、自験例をまとめてあります。

 本書では20の症例を紹介していますが、それらは大きく「Case編」と「アップグレード編」の二つに分けてあります。Case編では、一般医の先生が自身で治療できるものを紹介しています。一方のアップグレード編では、専門医に相談してほしい症例と、そのような患者を紹介された際の当センターでの対処法について述べました。

 ただ、当センターでは、大学病院という性格上、保険給付の範囲を超えた検査も行っており、本書のすべてをどこの病院・診療所でもできるというわけではありません。また、コンパクトにまとめたため、あらゆる治療法を網羅的には扱えなかったという限界もあります。

―本書の特徴は。

岩本 病診連携にページを割いているのが、本書の特徴と言えるでしょう。当センターには多くの患者が来院されますが、診療できる患者数には限度があります。糖尿病治療は今後ますます、一般医の先生方と連携しながら行っていく必要があると思います。

 専門医に紹介するような症例でも一般医で対処可能なこともありますし、紹介する際にも「なぜ専門医に送るのか」、「何を専門医に望んでいるのか」をはっきりさせることで、より効率的な連携ができると考えています。

 さらに、症例を中心に据えることで、教科書的にならず、読みやすい本となっていると自負しています。興味がある症例から読んでもらってかまいません。それぞれの症例に関して、「何を聞くか」、「何を診るか」、「何を考えるか」、「糖尿病診療の進め方」、「コンサルトのタイミング」、「よりよい医療連携を求めて」の六つのポイントのそれぞれについてチェックリストを用意したほか、分かりにくい点はしおりにして付けたので、理解しやすいと思います。一般医の方にはもちろん、コメディカルや研修医の方にも読んでいただきたいですね。


(日経メディカル 2003/04/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


内容(「BOOK」データベースより)
本書では、日常しばしば経験されるありふれた症例の中から教育的な症例をとりあげて、「医療連携の会」でなされた質疑応答を見出しにして解説した。それらの症例で得られた経験をもとに、地域の実地医家の先生方が糖尿病患者さんをどこまで診ることができるのか、いつ、どのような場合に専門医にコンサルトするのが望ましいのか、また逆紹介にはどのような問題があるのかに焦点をあてている。第2部では、糖尿病外来診療で特に問題となる領域でのトピックスを解説。糖尿病の外来診療の質を高めるためのポイントを全体として21の原則にまとめた。


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