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慈恵医大青戸病院事件―医療の構造と実践的倫理
小松 秀樹
日本経済評論社 刊
発売日 2004-09



内容(「MARC」データベースより)
医療事故はどこまで医師の刑事責任を問えるのか。医療システムや医局制度、報道、厚労省の対応に問題はないのか。慈恵医大青戸病院での事件を例に、患者の死を無駄にしないための医療の具体的なあり方を提案。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小松 秀樹
虎の門病院泌尿器科部長。1949年香川県生まれ。東京大学医学部卒。都立駒込病院、山梨医科大学等を経て1999年より現職

本書のテーマとなって医療過誤について、不幸の転帰そのものだけではなく、その不幸が起きた必然性を現代医療の背景に求めている。非常に示唆にとみ、また首肯できる点も数多い。しかし、一般の人が本書を読んだとき、やはり「医師は医師を庇う」という印象をもつのではないかと感じた。その原因は、臨床医学の不確実性がゆえの不可抗力としての不幸な転帰と、予見可能な有害事象が連続したことによって起きた不幸な転帰とを、筆者が当該医療過誤のなかで厳密に分けて論じているわけではないからである。確かに予見不可能な臨床医学の不確実性の結果として起きた不幸に刑事責任の追及は馴染まない。しかし、当該医療過誤では、十分に予見し得た有害事象に対して手を打っていないと思わせる著者の記載もある。とはいえ、よくこれだけの内容を実名で記載し、著者名も隠さなかったと思う。その勇気に勇気付けられられた。
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