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感染症外来の事件簿
岩田 健太郎
医学書院 刊
発売日 2006-02



気軽に読めて役に立ちます。 2007-02-04
比較的気軽に読めて、有用な知識が得られます。次のようなことが書かれています。

1 飛沫の大きさが5μm以下が空気感染で、5μm以上が飛沫感染である。空気感染は遠くまで感染の危険があるから、患者を個室に隔離しドアを閉め、陰圧をかける必要がある。飛沫感染は感染できる距離がせいぜい2mである。結核は空気感染である。

2 溶連菌感染は抗生物質投与後24時間以後は感染性がずっと低くなる。

3 インフルエンザワクチンの防御効果は70〜90%である。

4 伝染性単核症はEB virusにより起こる。時にcytomegalovirus toxoplasmaにより起こる。好発年齢は15〜24歳で、熱、咽頭痛、リンパ節腫脹が特徴である。咽頭は腫脹し、時に浸出物が見られる。ただしcytomegalovirusによるものは咽頭所見が乏しい。後頚部リンパ節腫脹が特徴で、ここが溶連菌感染と違う。ただし前頚部リンパ節が腫脹することもある。腋窩や鼠径部のリンパ節が腫脹することもある。肝脾腫があれば伝染性単核症が強く示唆される。しかし伝染性単核症の半分は肝脾腫がない。

5 溶連菌感染症の合併症にリウマチ熱、糸球体腎炎がある。

6 溶連菌による咽頭炎は普通細菌血症を起こさない。

7 体温35度の患者が苦しんでいたら細菌血症を疑うべきである。

8 EB virusの検査にはVCA(viral capsid antigen) EA/D(early antigen D) EA/R(early antigen R) EBNA(EB virsu nuclear antigen)がある。VCA IgMは初期に3ヶ月ほど上昇し、その後消失する。VCA IgGは感染が慢性化した後も上昇するが、EB virusは潜伏期が長いので感染初期でも上昇することが多い。EA/Dは感染初期に急に上昇し、その後消失するが、急性期に陰性に出ることがある。EA/Rは上昇しない。EBNA IgGは発症後6〜12週間で出現する。初期には上昇しない。よってEB virusによる伝染性単核球症を診断するには、VCA IgM陽性でEBNA IgGが陰性である。VCA IgG、EA/Dは陽性と陰性の両方がありえる。

9 伝染性単核球症は治療は不要である。


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