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コンパクトにまとまっています。 2007-02-09
コンパクトに要点がまとめられています。次のようなことがわかります。

1 メロペン(meropenem)はチエナム(imipenem)と抗菌力はほぼ同じだが、痙攣を誘発することが極めて低い。

2 第三世代セフェム系ではモダシン(ceftazidime)が緑膿菌(Psudomonas aeruginosa)を含めたグラム陰性桿菌に対して最も優れている。

3 腸球菌(Enterococcus)にセフェム系抗菌薬は効果がないが、ピクシリン(ampicillin)は効果がある。カルバペネム系(チエナム(imipenem)等)も腸球菌(Enterococcus)に対して効果があるが、ペニシリン系に劣る。

4 ピクシリン(ampicillin)はListeria monocytogenesに対する第一選択である。

5 ペニシリンGカリウム(penicillin G)はグラム陽性球菌に効果があるが、ブドウ球菌に効かない。黄色ブドウ球菌にはセファメジン(cefazolin)が優れている。

6 血液透析をしている人でもロセフィン(ceftriaxone)、エリスロマイシン(erythromycin)、ダラシン(clindamycin)、フラジール(metronidazole)は通常量投与できる。エリスロマイシン(erythromycin)、ダラシン(clindamycin)、フラジール(metronidazole)は肝代謝のためである。

7 グラム染色は細菌や白血球の量がわかる。細菌や白血球の量が減っているとよくなっている、抗生物質が効いていると判断できる。

8 淋病や髄膜炎を疑った時、検体は冷所に保存しない。淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は冷所で急速に死滅する。

9 グラム陰性球菌で臨床上問題となるのは、NeisseriaとMoraxellaの2種類しかない。

10 緑膿菌(Psudomonas aeruginosa)が分離されても、単なるコロニー形成で感染の原因でないことがある。緑膿菌が出たというだけで安易に抗菌薬を投与しない。

”とりあえず、この抗生剤”という治療をしている医師に
特に読んでもらいたい、基本から学ぶことができる良書と思います。
・患者さんを注意深く診察し、感染臓器を想定する
・起因菌をみつける努力をする
・コンタミのないように検体を取る、正しく保存する
・検体を検査に出すのみならず、可能なら自らグラム染色して評価する
・戻ってきた結果を正しく評価する
・そして適切な抗生剤を必要十分量に使う
・抗生剤の使用禁忌・アレルギーについて理解する
必要な内容が、わかりやすく解説され、コンパクトにまとまっている
非常に実践的な本はこの本くらいだと思いました。
実際は、一日三回投与が難しく二回投与にしているという病院の話を
聞いたり、保険の問題で抗生剤の併用をおこないにくいなどの事情も
ありますが、本当はこうするほうが良いということを知っておくのも
大事だと思います。
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