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聞く技術―答えは患者の中にある〈上〉

日経BP社 刊
発売日 2006-09


内容(「MARC」データベースより)
診断精度を飛躍的に向上させる問診のテキスト。向上心をもった医療の専門家のために、不朽の問診法を紹介する。上巻では、病歴聴取の基本概念を解説。また、全身症状、耳鼻咽喉、皮膚、消化器の症状別に問診の原則を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山内 豊明
名古屋大学医学部保健学科教授


良書です。でも現場は崩壊寸前です。 2006-11-07
第7章の「疲労」の項目は痛快。「・・・一般に、精神疾患が疲労の主な原因である。患者の約25%は内科疾患が原因である。・・・」など。推奨文献と参考文献を分けて記載しており良書と思います。でも現在の医療事情(日本では医療崩壊寸前)ではこんなに丁寧な問診ができないのが現状なのですよ。



本書では、疾患中心ではなく症候を中心に60種の臨床症候について、それぞれの病因、危険な疾患であった場合の警告症状、診察の開始時のopen questions、鑑別診断のために有効なclosed queastions(focused questions)、診断的アプローチ、注意点、予後について統計に基づいた解説文献の引用がなされている。特に鑑別診断のためのfocused questionsは、内科学や症候学の成書に書かれている症候、例えば胸痛について、どのように聞けば、あるいは他のどの随伴症状について聞けば心筋梗塞など危険な疾患を見逃さずにすむかということを考えるのに非常に役立つように書かれている。
 第1章の病歴:アートとサイエンスの項に、「患者に面接する能力は、医師の経験の上に成り立つもので、練習も必要になる。何を重視して、何を捨てるか、次に何を質問するべきか、どのように会話を方向付けるか(中略)を知ることは難しく練習には終わりがない。これを学ぶ唯一の方法は、実際の患者の話を倦まずたゆまず繰り返し聞くしかない」と記されているが、本書はそういった意味で臨床研修医のみならずすべての臨床医に役立つ本と考えられる。

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