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認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング
伊藤 絵美
星和書店 刊
発売日 2005-12



ユーザー(クライアント)にもおススメ 2006-10-31
認知行動療法ベースのカウンセリングを提供する心理室を独立開業した臨床心理士(&精神保健福祉士)が、著者である。その著者による、CBT初級ワークショップの全記録、テープ起こしされたものを書籍にしたものが本書。

CBTは「基本モデル」によって立つ、臨床的諸技法のまとまり、つまり、CBTはひとつの治療体系・援助体系であって、それを実現するための技法のひとつが、認知再構成法であり、問題解決法である。

そういった技法よりも、具体的で分かりやすく解説されている「基本スキル」の方がむしろ重要であり、「基本スキル」に習熟し実践するだけでも、クライアント(患者)の症状が改善し得ることが強調されている。これらを抜きに、認知再構成法他のCBTの技法が活きて来る。

認知を「正す」「修正する」のではなく、認知の「幅を広げる」「柔軟性を高める」ことを目的とすべきであるし、クライアント(患者)にその旨心理教育すべきである、という著者の主張からも、著者が徹頭徹尾、臨床実践に裏打ちされた認知行動療法家であることを知らしめてくれる。

本書は、CBTにこれから取り組もうとするか、取り組んで間もない専門家を対象としているだろうが、すでにCBTに慣れ親しんでいる臨床家が自己の実践の基本を見直すにも良い。そればかりか、CBTってどんなことするの? と、これからCBTを受けようと思うユーザーにとって、CBTをあらましを知るに格好の書・教材と思われた。

本書は、大変よくできた実用書である。



本書の著者は、現在、認知行動療法実践の最前線にいる人であり、学会等でも精力的に活動している人である。

ワークショップとの書名からも分かるとおり、本書は著者が開催している認知行動療法の初級ワークショップの内容を本にしたものである。
“初級”とはいうものの、その中身は非常に充実しており、認知行動療法を進める上で、必要不可欠なスキルが非常に具体的に分かりやすく解説されている。
ワークショップを文章化しているために、面接場面の具体的なやりとりや、受講者のと質疑応答も載っており、ちょっとした“?”にも答えられている。
また、最後にはうつ病とパニック障害の事例報告もあり、具体的な認知行動療法の実践方法が分かるようになっている。

認知行動療法というと、認知再構成法や暴露療法といった数々の技法が注目されがちであるが、大切なのはそういった技法ではなく、患者・クライアントとの共同作業を通して、個々の問題をアセスメントしていくことであるということが良く分かる良書である。

ただ、“初級”ということからも、この本で認知行動療法の全てが分かる訳ではなく、むしろ認知行動療法を行う上での土台となるものが書かれている。
そういう意味では、この本を読んでから、個々の技法や障害に対する技法を勉強することが望ましいと考えられる。
また、著者が開催する上級のワークショップに参加するも良い。

・認知療法=コラム表
・認知行動療法は認知にしか焦点を当てない。
と思っている方にはぜひ読んでいただきたい本である。

また、病院では心理療法をオーダーする側である医師の方々にもぜひ読んでいただきたい本である。


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